プロダクトアウトとマーケットイン
2025/11/18
皆さん、こんにちは。
株式会社ビジネス・プラットフォーム代表取締役で経営コンサルタントの鬼頭です。
先日、とあるスタートアップ企業の社長の営業活動に同行しました。
このスタートアップ企業は飲食店向けの設備を製造・販売しており、その設備は食材のロス低減や従業員の働き方を大きく変えることができます。その日はその設備を実際にお使いになっている飲食店のオーナーにお会いしに行きました。目的は、そのオーナーに見込み客を紹介頂くこと、設備の営業活動に関するヒントを頂くことでした。なぜなら、この会社は営業活動に苦戦していたからです。モノは良いのに思うように売れない。よくある課題を抱えていました。
その設備は、従来の設備と比較すると機能面で違いはあるものの、価格が数倍高いため、営業してもその価値をいかに理解頂くか、という点が会社の課題でした。圧倒的に高いため、入り口で検討対象から外れてしまうことが少なくないのです。
最初、私も社長からその設備についてお話を伺った際、そのポテンシャルには関心を持ちましたが、仕入れコストや人件費の高騰に悩む飲食業界ではその価格がボトルネックになるだろうことは容易に想像がつきました。しかし今回、実際のユーザーである飲食店オーナーからお話をお聞きして、この設備のポテンシャルに確信を持ちました。
守秘義務があるのであまり具体的に書けないのがつらいところですが、この設備を導入することで少し極端に言えば飲食店のビジネスモデル、オペレーションモデルが変えられる、そして実際に収益性の向上に確実にインパクトを出すことができ、初期の導入コストは短期間で回収できるでるということがよくわかりました。
一方で、このスタートアップ企業の営業資料を見ると、自社製品の機能訴求が中心で、実際の導入事例・活用事例も紹介されてはいるものの、この日ユーザーの飲食店オーナーからお話をお聞きした際のインパクトは伝わらないだろうな、と思いました。要するに、今の営業資料はプロダクトアウト的な要素が強く、マーケットインの発想、ユーザーである飲食店にとってこの設備の導入が何を意味するのか、お店のビジネスをどう変える可能性を持っているのか、どんなメリットがあるのか、といった訴求が不十分なのです。
この会社が営業活動に苦戦している理由はいくつかありますが、その一つは、自社製品の持つ価値の訴求の仕方にあるということが、今回の顧客訪問でよくわかりました。飲食店が何に困っているのか、そしてこの設備がそれをどう改善し収益向上につなげられるのか。飲食店からすればその設備は必要不可欠なものですが、であるがゆえにできるだけ安価なものを選びたい、という心理が働きます。
そうではなく、自店の抱える課題(飲食店業界全般が抱える課題とも言えます)が解決され、ビジネスモデルやオペレーションを変えることができる。結果収益構造や労働環境も変えることができる。結果、既存の設備と比較して数倍高い価格は短期で回収でき、その後は利益の増加につながる。ユーザーである飲食店の視点から、この設備を導入する意味合いを丁寧にわかりやすく、納得できるよう説明できれば、この設備は必ず売れるはず。そして、この設備が広がれば飲食業界そのものも大きく変わっていくはず。そう確信した1日でした。
規模の大小を問わず、昔から日本企業はプロダクトアウト的な発想が根強く、いかに品質の高い商品をつくるか、いかに機能性ある商品をつくるか、ということに熱心に取り組んできました。しかし、それがユーザーにどう意味があるのか、どういったメリット、価値をもたらすのか、という観点が弱いことが少なくありません。私がコンサルティング業界に入った30年近く前からこの論点はよくあるものでしたが、今でもまだまだ課題であることを感じています。このことは、日本企業がいわゆるブランディングを苦手としていることとも関係していると思います。
私は、これまでの経験、知見をフルに生かし、自社商品のブランディングや売り方などでお悩みの企業を支えて参ります。
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