AIに代替される仕事・されない仕事
2025/11/25
皆さま、こんにちは。
東京・港区の経営コンサルティングファーム、株式会社ビジネス・プラットフォームの代表取締役で経営コンサルタントの鬼頭です。
先日、ご縁があり生まれて初めて宝塚の公演を観劇してきました。
宝塚というと、どうしても女性ファンが多い印象が強く、場違いにならないかな、という少しの不安を胸に抱きながら会場に向かいました。実際に会場に着いてみると男性のお客さんもそこそこいらしていて、特に違和感を感じることもなく会場内に入りました。もちろんグッズを持たれている熱烈なファン、いわゆるヅカオタの方もたくさんいらっしゃいました。
公演が始まると、途中の休憩をはさみあっという間に2時間超の舞台は終わりました。その迫力、完成度たるや、想像をはるかに超える素晴らしい舞台で、大いに感動しました。主役のトップスターの方はもちろんのこと、メインのキャストの皆さん、そしてそれ以外のわき役として舞台を支える皆さんまで、細部にわたりよく練られ、計算され尽くした演出、演技、そして歌唱と踊りでした。普段は割と感情が湧きづらいタイプなのですが(笑)、今回の舞台を見て感激し、ウルっと来た場面もありました。そのくらい、心を動かされたのです。
何よりも一番圧倒されたのは、演じる皆さんの気持ち、オーラでした。もちろん歌唱力や踊りの力量も凄いのですが、場面場面の登場人物の気持ち、心の動きを全身で表現され、そのオーラが観客である私にもダイレクトに伝わってきました。舞台上で汗もかきつつ、そして時には涙も流しつつ演技をする皆さんからの熱気、声や歌から感じ取れる感情、素晴らしいコーラスなど、まさに五感で感じる舞台でした。それが私の心を動かしたのです。
舞台に感動しつつ、つい仕事柄、ビジネスや経営のことを考えてしまったのですが、私が真っ先に思ったことは、これこそがAIには実現できないものだ、ということです。世の中では、先日公開されたGemini3が注目を浴びています。Nano Banana ProやNotebook LMなどとあわせ、早速活用事例もたくさんネット上にアップされていますが、その内容を見るとかなりの進化が伺えます。AIが人の業務を代替するという点については、既に多くの議論がなされています。以前は専門性の高い仕事、クリエイティビティの高い仕事は代替されづらいと言われていましたが、最新のAIはそういった領域の仕事さえ代替していくのではないかという勢いであり、むしろいわゆるブルーカラーこそがAIに代替されいない仕事であると言われるようになってきています。実際、少し前にはアメリカにおいて電気設備工や配管工などが稼げる商売になってきている、というニュースもありました。
実際私も自身のコンサルティングの仕事でAIの活用範囲を少しずつ広げています。例えば提案書作成時にクライアントやクライアントの業界について最新動向を調べることがよくあります。昔はこの手の仕事は若手のコンサルタントの仕事でしたが、今ではAIが短時間で終わらせてくれます。もちろんAIの回答結果をそのまま使って終わり、ということはありませんが、それでももはやこの手の仕事に若手のコンサルタントのリソースが必要になる場面はかなり限られます。AIの回答結果の真贋を確認したり、回答結果があまりにも浅かったりイマイチだったりした場合にはやり直しを命じたりするなど、もちろん一定の手間はかかります。が、それは若手のコンサルタントに依頼していた時も実は同じです。人がリサーチしてまとめても間違うことはあるし、内容が浅薄で示唆がないアウトプットなどごまんとあります。
まだ私はGemini3などを試していませんが、ネット上で見た「使ってみた」系のコンテンツを見る限り、これも相当コンサルティング業務に使えそうです。AIによって得手・不得手がありますから、それぞれの得意領域や特性を理解したうえで組み合わせて使いこなせば、相当省力化しつつアウトプットの品質向上が実現できると思います。
では、コンサルタントはもはや不要なのか。AIに任せれば済む時代なのか。私はそうは思いません。今回観劇した宝塚の舞台に、私はそのヒントがあると強く実感しました。
コンサルタントの役割、価値をどう考えるかによります。
もしコンサルタントを、課題を整理し、解決のための提案をする存在として考えるのであれば、AIでかなりの部分は代替できるでしょう。業界特性を調べ、ベストプラクティスや参考になりそうな事例を整理し、クライアントの現状課題やマーケットでの評価を明らかにし、課題に応じた解決策を提示すること、またその実行に向けたアプローチやアクションプラン、体制案をつくることも今のAIであれば可能です。これらは従来、高いフィーを要求するコンサルタントが数名のチームを組み、2~3か月かけてアウトプットしてきたものです。それなりにAIを使いこなせる人であれば、半日、いや1時間もあればこれらをアウトプットすることはできるでしょう。
一方で、コンサルタントの役割、価値を、クライアントの変革や課題解決に寄り添い、伴走してその実行を促進していくこととして捉えたらどうでしょうか。私は過去30年近いコンサルティングの経験を通じ、いくら論理的に正しい解決策を提案しても、また素晴らしい戦略を提案しても、それだけでは企業は変わらないということを身に染みて実感しています。もちろん戦略や課題解決策を考える際には、クライアントならではの事情なども加味しており、決して一般論的な戦略、課題解決策を提示しているだけではありません。そうだとしても、それだけではクライアントの変革は進まないことがあるのです。
何が重要か。企業も、結局は人が動かしています。どんな大きなビジネスも最後は人が判断し、人が実行します。それこそ一昔前ならRPA、今ならAIで自動化される部分も増えてきていますが、それでもビジネスは人が動かします。そこには感情がどうしても入り込む、ということです。コンサルタントの真の役割は、私はここにあると考えています。つまり、いかにクライアントの経営者やキーパーソンの気持ちを動かし、変革に向けてコミットして頂くか。また実行段階において直面する様々な場面において、諦めずにやりきる気持ちを持っていただくか。そこがコンサルタントの最も重要な価値だと私は考えています。
そのためには、コンサルタントは相手の気持ちに訴えかけ、動かせる力量がなくてはなりません。単に素晴らしい戦略や課題解決策を導き出せるだけでは足りないのです。もちろんロジックや定量的な分析による裏付けなど、最低限必要な要素はあります。そのうえで、クライアントの気持ちを動かし、納得頂き、これはやらなければいけない、と思って頂くことが求められるのです。
そう考えると、私が宝塚を観劇して得た感動体験と、コンサルタントが提供すべき本質的な価値は、実は同じなのではないか、同じとは言わないまでも、相手の心を動かすという点においては類似しているのではないかと思いました。そして、あの宝塚の舞台はまだAIでは再現不可能だと確信したのです。つまり、人の心を動かすという点において、まだまだ人間のできることは多い、AIに代替されない領域はある、ということです。
AIが導き出す正しい戦略、課題解決策を見ただけで、本当に企業は変わることができるでしょうか。本当に経営者や事業に携わる人々の気持ちは動くのでしょうか。将来、AIが更に進化してそこまでAIができるようになる可能性は否定しません。既にAIに恋愛感情を持つ人々が出てきているのがその証左です。ただ、ビジネスの第一線で活躍するビジネスパーソンの気持ちを動かすところまではいっていないと思いますし、そうなるにはまだ少しの時間が必要ではないでしょうか。
今回、宝塚の舞台を観劇して、改めて自身のコンサルタントとしてのありよう、目指す姿を再確認できました。いかにクライアントに寄り添い、クライアントの心を動かし、成長のためにやるべきことに取り組んで頂けるか。そのためには、宝塚のスターたちのように、熱い気持ちで本気でクライアントと向き合っていくことが必要だと強く再認識しました。そして、弊社の提供するコンサルティングにおいては、そうした点を特に大切にしていきたいと、気持ちを新たにしました。
経営でお悩みの方、会社を更に成長させたいとお考えの方、企業の変革を進めたいと思われている方、ぜひ弊社、株式会社ビジネス・プラットフォームまでお気軽にご相談ください。熱い気持ちで、皆さまに寄り添って課題解決や成長、変革の実現をお手伝いして参ります。
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